機器分離推定技術とは
インフォメティスの機器分離推定とは、家庭にある分電盤の主幹(送電線から家庭に引き込んだ電線を各部屋に分配する前の部分。ブレーカーの前後部分)を1箇所測定するだけで、その家全体の電力から、どの家電が、いつ、どれくらい使われていたかをAIで分析し、推定する技術です。
家の中のあちこちにセンサーを取り付けることなく、簡易に家電別の家庭内の電力使用量を測る手法は、「Non Intrusive Load Monitoring(NILM、非侵入型電力負荷モニタリング)と呼ばれる技術ジャンルに含まれるもので、世界でいくつもの企業が研究をしておりますが、実用化にこぎつけている企業はほとんどない難易度の高い技術です。この技術を用いることによりたくさんのセンサーを取り付けたり、スマート家電に買い替えたりすることなく家電別の電力使用量(※1)を手軽に把握することが可能になります。
※1 機器分離推定の対象家電は、主要家電のうち最大10種類:冷蔵庫、待機電力(常に電力消費する家電を含む)、エアコン、炊飯器、電子レンジ、洗濯機、ヒーター・ドライヤー・ケトルなどの高熱家電、テレビ、IHクッキングヒーターとなります。(2024年8月時点)
機器分離推定の基本原理
インフォメティスの機器分離推定技術は、電流の波形を捉えて分析することを特徴としています。家電には使用時に、それぞれの機器特有の電流波形が発生します。分電盤の主幹で測定した電流は、その時に稼働している各家電に流れる電流を足し合わせたものであることから、機器分離推定のAIアルゴリズムにより刻々と変化する主幹の電流波形とマッチする家電の電流波形の組み合わせを見つけることで、その時点で稼働している家電を推定することができます。 しかし、家庭内で使われる家電は何十個もあり、さらに掃除機の強弱といった動作状態でも電流の状態が変わるため、その組み合わせは無限と言えるほど膨大なものになります。インフォメティスの機器分離推定技術は10年以上に渡る家電電流波形データの収集と、繰り返し研究を重ねたAIアルゴリズムによって、この膨大な家電の組み合わせをリアルタイムに分析し稼働中の家電を推定することを可能にしました。